老後に向けた資産形成、ライフプランの充実などを考え、資産運用に興味を持つ人が増えています。しかし、初心者は資産運用に手を出しにくいのではと考え、躊躇している人もいるかもしれません。
ここでは、資産運用を始めたいものの「失敗したらどうしよう」と不安を抱える人に向け、資産運用の失敗例や、失敗しないためのコツなどを解説します。ぜひ、資産形成に役立ててください。
資産運用に失敗する人の特徴を解説します。運用を始める前の心構えをチェックしましょう。
資産運用を始めると、金融や経済などにかかわる難しい話を聞く機会が増えます。辟易する人もいるかもしれませんが、専門家への運用の丸投げはおすすめできません。
たしかに専門家は知識も経験も豊富です。しかし、市場の動きを完璧に予測できません。株価や不動産価値の暴落が起きたときに、損失を出すのは自分です。当事者意識をもち、納得した上で運用しましょう。
ただお金を儲けたいという気持ちでは、資産運用に失敗する可能性が高いです。なかには金融商品を購入した時点で満足してしまい、資産価値の変動に気がつかない人もいます。
資産運用を始めようと思ったきっかけは、将来の不安やライフプランの充実など人それぞれです。子どもの教育資金を稼ぎたい、趣味に多くのお金を費やしたいなどの目的・目標が違えば、いつまでにどれほどの金額が必要かも変わってきます。資産運用の目標・目的を明確にし、適した運用方法を探しましょう。
資産運用のルールを決めていなければ、資産価値の変動に対して冷静な判断ができません。特に、資産価値が下落しているときは危険です。たとえば所有している株の価格が下がったときにすぐ損切りしなければ、膨大な損失を生む場合があります。資産を守るには、前もって運用のルールを決めましょう。
たとえば株式投資を例に挙げると「買ったときの株価から10%値下がりしたら損切する」、「ストップ高になったときはただちに売る」などのルールが挙げられます。
投資にはリスクが付きものです。ただし、分散投資をするとリスクを抑えられます。仮に株式投資において、お気に入りの銘柄にすべての資産を投入したとしましょう。企業が倒産すると株価は暴落し、ほぼすべての資産を失ってしまいます。
分散投資をすると、それぞれの金融商品ごとに投じる金額を抑えられるため、金額の変動も小さくなります。落ち着いて運用するためにも分散投資を選びましょう。
資産運用にお金を回しすぎると、現金が不足する場合があります。帳簿上は利益が出ていても、現金がなければ生活が困窮してしまいます。キャッシュフロー表を作成し、計画的に資産を運用しましょう。
なおキャッシュフロー表とは、現在の資産状況をベースに、今後の収支見込とライフプランを反映したものです。家を買う、子どもが進学するなどの局面で現金を使えるように、金融商品を選びましょう。
資産運用でありがちな失敗例を紹介します。失敗を避ける方法も紹介するため参考にしてください。
銀行は投資信託や外貨預金などの金融商品を取り扱います。ただし、銀行側の説明を信じて商品を購入しても、それほど利益が出ない場合があります。
利益が出ない理由の一つは、高額な手数料です。銀行は手数料で儲けを得ていますが、資産運用で成果を出すならば手数料が安いところで購入するべきです。インターネットの証券会社に類似の金融商品があれば、手数料を比較しましょう。
また、銀行は「資産運用のプロ」ではありません。したがって、おすすめの商品であっても鵜呑みにするのはやめましょう。
世界的な不況の影響を受けると、資産価値が暴落する恐れがあります。たとえば「コロナショック」や「リーマンショック」などは、プロの投資家でも思いが及ばなかった可能性が高いです。ましてや一般の人であれば、突発的な事態への対応は困難です。
不況による被害を抑えるには、分散投資がおすすめです。また運用ルールの明確化もポイントです。不況時には、資産価値が素早く変わります。できる限り早く損切などの対応を取るには、事前にルールを決めておきましょう。何もルールがなければ、慌てているうちに資産の大部分を失いかねません。
一つの銘柄や金融商品へ集中投資すると、リスク分散ができません。たとえば株式会社の倒産や、不動産投資の場合は近くのショッピングモールが閉店したなどの理由で、一気に資産価値がなくなるおそれがあります。
集中投資は成功すると大きく稼げますが、ハイリターンな運用方法です。初心者はできる限り避けましょう。なお分散する対象としては、金融商品の種類や商品を購入するタイミング、不動産の場合は物件のエリアなどが挙げられます。
投資詐欺とは、儲かる話があるとそそのかし、お金をだまし取ることです。投資詐欺にあうと、お金を支払ったあとで紹介者と連絡が取れなくなったり、マルチ商法の片棒を担がせられたりなどの被害を受けます。
投資詐欺の被害にあう原因として、資産運用に関する基礎的な知識の不足が挙げられます。知識はがないため、騙そうとする人の話のおかしさに気がつきません。また投資で失敗した経験がないため、詐欺にあうとどのような状況に陥るのか想像できない人もいます。
投資詐欺を避けるには、詳しくない資産運用は避ける、納得できないものには手を出さない、信頼できる人の客観的意見を聞くなどが重要です。
堅実に資産運用を続けましょう。資産運用をするにあたり、大きな失敗を避けるコツを紹介します。
すべての現金を資産運用に回してはいけません。生活資金を確保したのちに、余剰資金を運用に回しましょう。なお余剰資金とは、失ったとしてもかろうじて生活を続けられる金額を指します。
余剰資金は、総資産額から半年分の手取り収入を引いたものを目安にしてください。仮に余剰資金がない場合は、まずは資産運用のために貯金をするところから始めましょう。また急な通院や、事故なども想定し、手元に残すべき現金を見積もってください。
短期間で大きく稼ごうとすると、失敗しやすいです。ハイリスクな投資に手を出し失敗すると、投資資金が底をつき、次の手が打てなくなるかもしれません。長期的な目線でこつこつ資産を運用しましょう。
最初は少ししか利益が出ない場合でも、複利効果によりしだいに大きな利益を得られます。なお複利効果とは、利益分も運用に回し、元本を徐々に大きくする運用方法です。
資産運用を成功させるには、感情に流されてはいけません。感情コントロールはリスクコントロール同じくらい重要です。資産価値のわずかな変動に一喜一憂せず、長期的な目線で冷静に状況を分析してください。
特に資産運用の初心者は、予期せぬ事態に直面したときに、臨機応変に振舞うだけの知識がありません。慌てて間違った判断を下さないためには、事前に決めたルールを徹底しましょう。
資産運用を始める前に、金融知識の勉強を始めましょう。資産運用について専門家にアドバイスをもらう人もいますが、他人にまかせきりにしてはいけません。金融知識がなければ、専門家の選び方から間違い、的を射たアドバイスを受けられない可能性すらあります。またアドバイスをもとに資産運用を決めるのは、あくまでも自分です。
金融知識の勉強方法としては、セミナーに参加する、本を読む、投資をしている友人の意見を聞くなどが挙げられます。
資産運用で失敗しやすい投資の種類を紹介します。大きく稼げるという話を耳にするかもしれませんが、慎重になりましょう。
仮想通貨とは、インターネット上で売買するデジタル通貨を指します。「ビットコイン」や「イーサリアム」などが有名ですが、ほかにも多くの仮想通貨が登場しています。仮想通貨による投資とは、仮想通貨の相場変動を利用して利益を得るものです。
スマートフォンでも取引できる手軽さから、仮想通貨の取引を始める人は増えています。ただし仮想通貨の値動きは予想しにくく、激しく変動します。周囲が儲かっているからといって、とりあえず手を出してはいけません。仮想通貨の仕組みを勉強し、儲かる仕組みを理解した上で取り組みましょう。
FX(外国為替証拠金取引)とは、為替レートの差を利用し、通貨の売買で利益を得る投資です。FXは「レバレッジ」をかけられる点が特徴で、わずかな元手でも大きな取引ができます。
FXで損失を出しやすい理由は高すぎるレバレッジです。レバレッジをかけると大きく稼ぎやすくなる反面、損失も膨らみやすくなります。損失が大きすぎると「強制ロスカット」が下され、自動的に損失が確定してしまいます。FXでの失敗を防ぐには、レバレッジを控えめにしましょう。
株式投資とは、株を買った企業から配当金を貰ったり、株の売買で得た差額で利益を得たりする投資です。株主投資が失敗しやすい理由は、株を買うために高額な元手が必要なことです。大企業の株を購入するために、100万円近くの資金が必要になることも珍しくありません。そのため、つい手軽に買える株を購入する人もいます。
ただし、適当な株を買っても利益が出るとは限りません。投資する株を選ぶ際は、企業の状況や業界、世間の動向をもとに検討しましょう。今後の株価変動を予想することが、失敗を避けるコツです。
先物取引とは、未来の売買を契約することです。たとえば「プラチナを1カ月後に15万円で買う」という契約をしたとしましょう。1カ月後にプラチナの価格が20万円に上昇していても、契約どおりの15万円での購入が可能です。先物取引の対象は、貴金属や灯油、ガソリン、穀物などです。
なお先物取引にもレバレッジがあり、設定を誤ると大きな損失を抱えてしまいます。レバレッジを控えめにして、損失を抑えましょう。
不動産投資とは、マンションやアパートを購入して定期的な家賃収入を得る資産運用です。不動産投資では、ローンの組み方で失敗する場合があります。ローンを返せるだけの家賃収入が得られるか、慎重に計算しましょう。また中古物件を購入し、ローンの負担を減らす方法もあります。
なお、物件選びも重要です。建物の構造やエリアの情報、景気の動向などを勉強し、人気が出そうな物件を選んでください。
資産運用にはさまざまな手段があります。自身で金融関連の知識を勉強して運用しましょう。またハイリターンな運用は、リスクも高い傾向です。堅実に運用できる方法で資産を増やしてください。
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