投資信託におけるリスクとは、リターンに振れ幅があることを意味しています。投資信託に興味をもっていても、リスクが心配でなかなか始められない人もいるでしょう。
この記事では、投資を始めたいと考えている人に向けて、投資信託のリスクの種類や対策方法を解説します。
投資信託にはどのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは、投資信託におけるリスクについて、具体的に解説します。
投資信託におけるリスクは、結果の不確実性を表しています。投資信託では株式や債券の価格が常に変動しており、リターンに振れ幅があります。得られるリターンが大きい場合もあれば小さい場合もあるため、その点を理解して運用しなければなりません。
リターンとは、投資によって得られる収益です。運用している株式や債券の価値が高まれば、リターンも大きくなります。
リスクとリターンの大きさは比例しています。リスクが大きければリターンも大きくなり、反対にリスクが小さくなればリターンも小さくなります。商品を選ぶときはリスクとリターンの大きさを確認しつつ、投資の目的も考慮しましょう。
投資信託のリスクとしてはさまざまな種類があります。ここでは、投資信託のリスクの種類をそれぞれ解説します。
インデックス投資とは、値動きが株式市場の平均を示す指数に連動するように運用される投信信託です。仕組みがわかりやすいので、初心者でも運用しやすいです。株式市場の平均に連動するため比較的安定していますが、まったくリスクがないわけではありません。たとえば、株式市場全体の状況が悪化した場合、インデックス投資で損をする可能性もあります。
インフレ連動国債とは、物価の動向に応じて元本が変化する国債のことです。利率は満期まで一定ですが、元本や利息は物価の動向にあわせて増減します。そのため、受け取れる金額は物価が上昇すると増加するものの、物価が下落すると減少します。ただし、2013年以降に発行されるインフレ連動国債には元本保証がつくことになりました。
MLP価格変動リスクとは、MLPの価格が下落するリスクです。MLPとは、エネルギー事業を主に収益源としている共同投資事業形態のことです。MLP市場の動向が変化すると、価格も変動する可能性があります。MLP市場は株式市場よりも流動性が低いため、何らかの事象が起きた際に急激に価格が変動する可能性があります。
エマージング市場とは、今後の発展が期待される新興諸国の金融市場のことです。経済が急激に成長する可能性があり、高いリターンを得られる可能性があります。しかし、その分リスクも高いです。たとえば、新興諸国は政治や経済が不安定であったり、為替レートが大きく変動したりします。そのため、証券の価格変動も大きくなりやすいです。
カントリーリスクとは、投資する国の政治や経済の情勢が変化して金融市場が混乱するリスクです。たとえば、新しい規制ができた結果、金融商品の価値が大幅に下落する可能性があります。また、それまでの運用方針を継続できなくなる場合もあるでしょう。
基準価額変動リスクとは、解約が集中してファンドの資金が流出した際に発生するリスクです。希望する条件で株式や債券を売却できなかったり、ファンドが損失を被ったりする可能性があります。
期限前償還リスクは、ローンに投資する場合に発生します。債務者が期限前に返済すると、当初の予定通りに利払いを受けられなくなることです。期限前に返済された資金をさらに低い金利で再投資すれば、利回りが低下します。
金は希少性が高く、価格も比較的安定しています。ただし、情勢やニーズの変化により金の価格が下落するリスクはゼロではありません。また、購入した金を保管するうえでは盗難や紛失の恐れもあるため、管理も徹底する必要があります。
個別銘柄選択リスクとは、選んだ個別銘柄の価格が下落するリスクです。たとえば、株を購入した場合、企業の業績が悪化したり不祥事が発生したりすると、株価が急激に下落するケースがあります。専門家でも予想できない理由により下落する可能性もあります。
市場リスクとは、債券市場や株式市場への投資全般についてのリスクです。主に、予期せぬ価格変動が生じる可能性をさしています。また、市場リスクには、為替リスクや金利リスクなども含まれています。
価格変動リスクとは、投資信託で投資している株や債券の価格が変動することです。企業の業績だけでなく、政治や経済の情勢の変化も株や債券の価格に影響を与える可能性があります。
株価変動リスクとは、株式の評価額が変動するリスクです。投資信託に組み入れている株価が下落すれば、投資信託そのものの基準価額も下落する恐れがあります。
為替変動リスクとは、外貨建てで運用している商品の円換算の価格が変動するリスクです。為替ヘッジが行われていなければ、為替の変動がそのまま商品の円換算の価格に反映されます。
金利変動リスクとは、金利の変動により債券の価格が下落するリスクです。金利が下がれば債券の価格が上がる一方、金利が上がれば債券の価格が下がります。
上場投資信託(ETF)とは、証券取引所に上場している投資信託です。株式のように値動きを確認でき、自由に売買できます。ただし、市場が急激に変動して流動性が低下すると、好きなタイミングで売買できなくなる可能性もあるため注意が必要です。上場が廃止されると、売買が成立しにくくなる恐れもあります。
商品先物取引とは、売買の期限があらかじめ定められている取引方法です。証拠金を担保として取引するため、相場が予想とは異なる動きをすると大きな損失が出ます。投資の状況によっては、値動きが小さくても大きな損失につながるリスクもあります。
信用リスクとは、債券などを発行している機関についてのリスクです。たとえば、発行元が倒産した場合、もともと定められていた条件で償還金が支払われなくなる可能性があります。
中小型株とは、時価総額が小さい企業の株式のことです。一般的に、中小型株の値動きは、株式市場の平均よりも大きくなります。そのため、急激に損失が膨らむ恐れもあります。
デリバティブ取引とは、株式や為替などの取引から派生して作られた金融商品のことです。少ない資金を担保として大きな取引ができるという特徴があります。ただし、予想が外れると大きな損失を被るリスクがあります。
転換社債とは、決められた価格で株式に転換できる社債です。転換社債の価格は、さまざまな影響により変動するリスクがあります。特に、株式への転換直後に大きく下落する可能性があるため注意が必要です。
ハイイールド債券とは、信用が低い債券のことです。うまくいけば、高い利回りを得られる可能性があります。しかし、経済環境の悪化などの問題が発生した場合、債務不履行に陥るリスクも高いです。債券を発行した機関が経営不振になり、当初の予定通りの利息や償還金を支払えなくなる可能性もあります。
投資のリスクを減らすには分散投資が効果的です。しかし、投資する対象や割合によっては、利益よりも損失のほうが大きくなる可能性もあります。どの金融商品も必ず利益が出るという保証はないため、分散投資にも少なからずリスクがあります。
金融商品を売却するには、買い手が必要です。しかし、市場規模が小さかったり取引量が少なかったりすると、自分が売りたいタイミングで売却できない可能性があります。取引に時間がかかり、希望よりも売却価格が低くなる恐れもあります。
REITとは、投資家から資金を集めて不動産を運用し、得られた利益を投資家に分配する方法です。日本語では、「不動産投資信託」と表せます。
REITの市場価格が低下すれば、基準価額も下落する恐れがあるでしょう。また、不動産の稼働率や賃料の水準が低下した結果、配当金が少なくなる可能性もあります。
ロングショート戦略とは、買い建てと売り建てを同時に保有して利益を得られる可能性を高める戦略です。状況にあわせ、買い建てと売り建ての割合を調整します。ただし、予想が外れれば、損失が大きくなるリスクがあります。
投資信託のリスクを防ぐには、どのような対策をすればいいのでしょうか。ここでは、基本的なリスク対策について解説します。
投資信託のリスクを減らすには、分散投資が必要です。複数の金融商品へ資金を分散して投資すれば、どれかで損失が出てもほかで補填できます。分散投資をしてもリスクはゼロにはならないため、戦略的に投資対象を選ぶことが大切です。具体的には、株式、債券、不動産など複数の金融商品へ投資する必要があります。
リスク対策としては、購入時期の分散も重要です。一度にすべての資金を投資するのではなく、複数回にわけて投資しましょう。金融商品の価格は変動していますが、購入時期をわければ価格変動の影響を小さく抑えられます。ドル・コスト平均法の考え方に基づき、一定額を毎月積み立てていくのも効果的です。
投資信託は長期的な運用に向いているものがほとんどです。そのため、長期間の保有を前提とし、数年かけて資産を増やすイメージをもつといいでしょう。短期間では価格が下落することがあっても、長期間保有すれば価値が高騰する可能性もあります。長期間保有すれば、短期間の保有よりも価格変動のリスクを小さく抑えられます。
投資信託は資産形成に向いていますが、さまざまなリスクもあります。投資信託を始めるうえでは、リスクを理解したうえできちんと対策することが大切です。分散投資や長期保有により、着実に資産を増やしましょう。
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