NISAは個人の資産運用を支援する税制優遇制度ですが、実際に始めようと思うと儲かるのか、デメリットはないのかなど、気になる人も多いのではないでしょうか。この記事では、NISAの種類やメリット・デメリット、どのような人が向いているのかを説明するとともに、儲けるためのポイントについても解説します。ぜひ役立ててください。
NISAは3種類あり、それぞれ詳細が異なります。概要と特徴を解説しますので、押さえておきましょう。
一般的なNISAの概要は次のとおりです。
・利用できる人 20歳以上(日本国内在住)
・年間非課税投資枠 120万円
・非課税期間 最長5年間
・投資可能期間 2023年まで
一般的なNISAは、株式や投資信託、ETF、外国株式など、幅広く投資できます。投資方法は一括投資と積立投資のどちらでもかまいません。各年に得た分配金や譲渡益が5年間、最大600万円非課税となります。資金を途中で引き出せるほか、非課税期間が終了した際のロールオーバーも可能です。
つみたてNISAの概要は次のとおりです。
・利用できる人 20歳以上(日本国内在住)
・年間非課税投資枠 40万円
・非課税期間 最長20年間
・投資可能期間 2042年まで
つみたてNISAは、最大800万円までの投資枠で得た利益が非課税となる仕組みです。ただし、投資先金融庁に届けのあった投資信託等に限られます。また、非課税期間が終了したときのロールオーバーができません。資金の引き出しはいつでも可能です。
ジュニアNISAの概要は次のとおりです。
・利用できる人 0~19歳まで(日本国内在住)
・年間非課税投資枠 80万円
・非課税期間 最長5年間
・投資可能期間 2023年まで
ジュニアNISAは投資できる範囲が一般的なNISAと同じように幅広く、非課税期間終了後のロールオーバーも可能です。ただし、子どものための資金形成をイメージした制度だということもあり、原則として18歳までは引き出すことができません。
投資を検討している人にとって、NISAが儲かるのかどうかが気になるポイントです。普通預金との比較も含めて考えてみましょう。
つみたてNISAで毎月5,000円、20年間積み立てた元本の合計は120万円です。平均年利回り1%で運用するとしてシミュレーションしてみると、最終的な運用額は約132.8万円になります。つまり、運用益が約12.8万円出るということです。
普通預金に毎月5,000円預けた場合も20年間預けた金額の合計自体は、つみたてNISAの元本合計と同じ120万円になります。しかし、普通預金の利回りを年0.001%だと仮定すれば、利息の合計は120円にしかなりません。
毎月5,000円、平均年利回り1%の積立でも、20年後には12万円以上の差が出ます。積立金額を少し増やしたり、平均年利回りが高かったりすれば、差はさらに開きます。つみたてNISAの利回りは普通預金に比べて高いものであることがわかるでしょう。
※参照:資産運用シミュレーション|金融庁
シミュレーションを行ってみると、確かに儲かる印象を受けるのではないでしょうか。しかし、実際には必ず儲かるとは限りません。資産運用を始める前にはNISAのメリットやデメリット、注意点も押さえておきましょう。
一般的にNISAは儲かる、またはお得だといわれるのはなぜなのでしょうか。注目すべき理由を2点解説します。
NISAは投資で得た利益が非課税になるところが大きなメリットです。通常の投資では、売却益や分配金に対して税金がかかります。一般的なNISAでは120万円、つみたてNISAは40万円、ジュニアNISAは80万円と、年間の非課税枠はそれぞれ異なるものの、税金がかからないのはやはりお得です。
NISAの口座については取引手数料がかからない金融機関が多い点も、メリットのひとつです。また、通常の投資信託を始める際には販売手数料が必要になりますが、特につみたてNISAの場合は商品の購入・解約にも手数料がかかりません。そもそも、つみたてNISAの対象となっている投資信託が販売手数料のかからないノーロード・ファンドだからです。
投資にはリスクがつきものです。実際にNISAを始めるにあたって知っておきたいデメリットも把握しておきましょう。
NISAの口座には、損益通算ができないデメリットがあります。損益通算とは、他の口座との間で利益と損失を相殺することです。NISAの口座で損失が出た場合、他の口座で利益が出ていたとしてもNISAの損失分を補填できません。
NISAの口座では損失の繰越控除もできません。損失の繰越控除とは、その年の損失分を翌年以降に繰り越し、翌年以降に出た利益から控除できる仕組みです。損失が出た年の分はそのまま損失として扱われます。
そもそもNISAは複数の口座を併用できず、一人あたり1口座しか開設することができません。そのため、NISAを始めるときは一般的なNISAにするのか、つみたてNISAにするのか、どちらかを選ぶ必要があります。ただし、1年単位で変更することは可能です。
NISAは新規で購入した商品のみが対象です。すでに投資を行っている人なら、ほかに信託投資や株式を持っていることも多いでしょう。しかし、すでに保有している投資信託などをNISAの口座に移管することはできません。
状況によって効果的に資産形成できる方法も異なるため、3種類のNISAがそれぞれどのような人に向いているのか解説します。
一般的なNISAは年間非課税投資枠が120万円まであります。つみたてNISAに比べるとまとまった金額を投資にまわせるため、月々4万円以上投資できるような資金に余裕がある人向きです。また、つみたてNISAとは違い、一般的なNISAは一括で投資できます。もともと投資用の資金を保有しており、一括投資できるという人にも向いている方法です。
一般的なNISAは株式やREITなどにも投資できるため、幅広い商品から選びたい人にも向いているでしょう。
つみたてNISAは、非課税期間が最長20年と長く、長期間かけて資産形成を行いたいと考えている人に向いています。例えば、先々必要になる子どものための教育費を準備しておきたい、老後の資金を貯めておきたいという人などです。
一部投資信託に限定されていることもあり、初心者にとっても投資先を選びやすいメリットがあります。年間非課税投資枠は40万円までですが、毎月1,000円から始められる商品もあるため、月々の投資額を抑えたい人にも向いています。
ジュニアNISAは18歳まで引き出す必要がない人に向いています。
また、ジュニアNISAの年間非課税投資枠は80万円である一方、贈与税が課税対象外となるのは年間110万円以下です。そのため、学資保険代わりに両親や祖父母などが子どものための資金を準備しておきたいというケースにも向いており、相続税対策にもなります。
子どもが投資に触れるきっかけになり、教育になる点もメリットでしょう。
初心者でもNISAで儲けを出すことは可能です。そのために押さえておきたいポイント5つを確認しておいてください。
NISAを始める目的をはっきりさせましょう。加えて、いつまでに、どのくらいの資金を形成したいのかという目標もしっかり定めておくことが大事です。目的や計画を明確にしておくことで、計画的な投資ができます。
投資先を分散させることは、リスクを回避する方法のひとつです。ひとつの商品にまとめて投資するのではなく、複数の商品に分散させることでリスクを抑えられます。商品の価格は日々変動するため、購入するタイミングを分散させることもダメージを軽減させるのに効果的です。
投資する商品の特徴をしっかり把握しておくことが大事です。例えば、金融庁の示す基準を満たしているからといって、どの商品を選んでもいいというわけではありません。運用実績などもリサーチし、リターンはもちろんリスクについても考えたうえで投資する商品を決めましょう。資産運用について、最低限の知識をつけておくことが大切です。
投資信託には購入時と保有中、売却時にそれぞれ手数料がかかります。初心者の場合は信託報酬が安い商品を選ぶことがおすすめです。信託報酬は投資信託を管理・運用するための経費であり、保有している間はずっとかかり続けます。純資産総額に対して何%という形でかかってくるため、できるだけ信託報酬が安い商品を選びましょう。
インデックスファンド(インデックス投資)とは、ダウ平均や日経平均、TOPIXなど株式市場の指標に連動して値動きするような運用を目指すファンドです。一方、アクティブファンドは指標を上回る成果を出すことを目的とします。
初心者にとってアクティブファンドは有望な商品を選ぶのが難しいうえ、信託報酬も高めです。それに比べてインデックスファンドはコストを抑え、動きも読みやすいメリットがあります。
NISAには3つの種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットも異なります。初めてNISAを始めるときは、目的や目標をしっかり定め、ポイントを押さえて商品を選ぶことでリスクを減らしながら儲けを出すことができるでしょう。
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