老後も安定的な生活を送るためには、老後資金を確保しておくことが大切です。この記事では、老後資金について考え始めた人に向けて、老後資金を保険で用意する方法について解説します。老後資金が必要な理由やおすすめの保険の種類についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
なぜ老後資金が必要なのでしょうか。ここでは、老後資金が必要な理由について解説します。
老後とは、一般的に公的年金を受け取って生活する時期を表しています。具体的には、65歳以降を老後と表現する場合が多いです。
また、老後資金とは、公的年金を受け取って生活する時期に使う生活費のことです。老後は仕事を辞めているケースも多く、必要な金額を老後資金として蓄えておかなければなりません。
公的年金は老後の生活を支えるために支給されていますが、公的年金だけで老後の生活を継続させるのは難しいといわれています。老後の生活には、公的年金で支給される金額以上にお金がかかる場合がほとんどです。
定年退職の際に退職金を受け取る人もいますが、公的年金に退職金を加えても老後資金が足りない可能性があります。
「2,000万円問題」が話題になり、老後に備えて2,000万円を用意しておかないと生活できないというイメージが広く浸透しました。しかし、実際に必要な金額は状況によってそれぞれ異なります。老後への備えが1,000万円で足りる人もいれば、3,000万円以上必要な人もいます。
老後資金がいくら必要か考えるうえでは、生活費以外の特別な支出についても考慮しなければなりません。たとえば、旅行に行ったり趣味を楽しんだりするには、その分の費用を加味して考えることが大切です。
必要な費用を洗い出し、年間でどの程度の資金が不足するか計算しましょう。また、寿命も考慮する必要があります。
老後資金は保険で用意できるのでしょうか。ここでは、老後資金の形成に役立つ保険の種類や具体的な方法について解説します。
老後資金の形成に役立つ保険は複数あります。ここでは、具体的な種類とその特徴を解説します。
貯蓄型保険は、一定の条件を満たしたときにお金を受け取れる保険です。保険期間が満期を迎えたときに満期保険金や生存給付金などを受け取れます。もちろん、保険としての機能も備えているため、万が一の事態の備えとしても役立てられます。貯蓄型保険としては、たとえば、終身保険や個人年金保険などがあります。
掛け捨て型の保険は、保険期間の満了後に保険金が払い戻されない保険です。契約内容に定められたリスクが発生した場合のみ、給付金が支払われます。保険料が比較的安いため、リスクに備えるために保険へ加入したい人に向いているでしょう。掛け捨て型の保険としては、定期保険や収入保障保険などがあります。
保険への加入は、老後資金を形成するための方法のひとつとして有効です。ただし、保険に加入するだけで必要な老後資金の全額を確保できるわけではありません。保険だけでなく、定期預金や運用商品なども組みあわせると、よりスムーズに老後資金を形成できます。
老後資金の形成を目的にしている場合、どのような保険を選べばいいのでしょうか。ここでは、具体的におすすめの保険を紹介します。
個人年金保険は、保険料を積み立てて老後に年金形式で受け取れるようにした保険です。受け取りの年齢は契約時に決定します。支払った保険料は所得税の控除の対象になるため、節税の効果も期待できます。
貯蓄性があり、着実に老後資金を蓄えられるため人気が高いです。ただし、長期間の積み立てが前提となっているため、何らかの理由により早い時期に解約すると元本割れになる可能性があります。長期的な目線で加入を検討しましょう。
個人年金保険には、外貨建てと円建てがあります。円建ては、日本円で保険を運用する方法です。元本割れのリスクが少ないというメリットがあります。一方、外貨建ては外貨で運用するため、給付を受け取る際に為替変動の影響を受けます。利率が高い場合もありますが、損になるリスクもあることを理解しましょう。
終身保険は、一定の払込期間が設定されおり、払込が修了すると一生涯死亡保障を受けられる保険です。自分が亡くなった際に、遺族が保険金を受け取れます。また、本人が高度障害状態になった場合にも保険金が支払われる可能性があります。
特に、低解約返戻金型終身保険を選べば、将来受け取れる金額が固定されているため安心です。ただし、払込期間中に解約すると、支払った総額を回収できなくなるため注意しましょう。
養老保険は、条件に応じて保険金を受け取れる保険です。払込期間のうちに死亡すれば保険金が支払われ、何事もなく期間満了を迎えると満期保険金が給付されます。
養老保険は貯蓄性があるため、老後資金の形成につながります。たとえば、老後を迎えるタイミングで期間満了を迎えるようにするのもひとつの方法です。途中で解約しても解約返戻金を受け取れますが、支払った総額以下になる可能性が高いです。
変額保険とは、支払った保険料の一部が株や債券などにより運用される保険です。株や債券の運用実績によって、支払われる保険金や解約払戻金の金額が変化します。投資信託に近い保険商品であり、運用状況によっては資産を大きく増やせる可能性があります。
ただし、運用の成績が悪いと資産が減る恐れもあるため、慎重に選ばなければなりません。保険料が割安な商品が多いので、リスクも考慮したうえで選択しましょう。
民間の介護保険は、介護が必要になった場合に保険金を受け取れる保険です。介護が必要になる可能性に備えるためには、介護保険にも加入しておくと安心できます。
公的な介護保険は、介護度に応じて介護を受ける際の自己負担額が低くなる制度です。ただし、介護に関するすべての費用に公的な介護保険を適用できるわけはありません。たとえば、民間の有料老人ホームに入居するためには、まとまった一時金を自己負担する必要があります。民間の介護保険に加入しておけば、保険金をそのような費用にあてられます。
老後資金を用意する方法は、保険以外にもあります。勤務先に財形年金貯蓄の制度があるなら、必要に応じて活用しましょう。財形年金貯蓄は、一般財形貯蓄、年金財形貯蓄、住宅財形貯蓄の3種類にわかれています。
一般財形貯蓄は、用途を決めずにお金を貯められる制度です。最も気軽に始められます。住宅財形貯蓄は、住宅を取得するための費用を貯蓄する制度です。貯蓄残高が増えると、財形住宅融資が受けられます。年金財形貯蓄は、老後資金の形成を目的とする制度です。利息や受け取り時の年金が非課税になります。
iDeCoは、任意で加入できる年金制度です。一定の範囲内で掛け金の金額や運用する商品を選択できます。老後に備えて長期的な資産運用が可能です。
利息や運用益は非課税であり、お得に老後資金を形成できます。また、支払った保険料は所得税の控除対象になるため、掛け金を支払っている段階でもメリットを得られます。
ほかにも、投資商品を活用して老後資金を形成する方法があります。投資商品にはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴を理解したうえで選びましょう。主な投資商品をあげると、以下のとおりです。
・株式
・投資信託
・債券(国債、地方債、社債)
・金
・FX
投資商品には元本割れのリスクもあるため、余剰資金を活用して無理のない範囲で取り組む必要があります。
老後資金を形成するために、どのようなことができるのでしょうか。ここでは、今からできることについて解説します。
現時点で自分が所有している資産を確認しましょう。そのうえで、自分は基本の生活費以外にどのような特別支出を必要としているか把握してください。資産の状況や必要な金額が明らかになると、老後資金を貯めるための計画を立てやすくなります。
公的年金も老後の収入源のひとつであるため、ねんきん定期便で状況をチェックしておくと安心です。退職金の有無も確認しましょう。
お金を貯めるためには、現在の家計を把握して見直す必要があります。無駄な出費を減らせば、その分を貯蓄に回すことが可能です。すでに生命保険や医療保険に加入している場合も、現状に適した内容になっているか確認しましょう。ファイナンシャルプランナーなどのプロに相談すると、適切に検討できます。
高齢になると、病気やケガのリスクは高くなります。若いうちは健康に自信があるとしても、体が衰えてくれば思いも寄らない事態に陥る可能性もないとはいえません。一般的に想定される老後のリスクを把握し、万が一の場合に対処できるよう準備しておく必要があります。たとえば、保険に加入しておくと、必要な保障を受けられるため安心です。
公的な介護保険に加入していれば、介護にかかる費用の自己負担は1割になります。しかし、希望するケアの内容によっては、自己負担が必要になる可能性もあります。特に、有料老人ホームへの入居を考えているなら、まとまった資金が必要です。生活費だけでなく、医療費や介護費についてもしっかり準備しておきましょう。
老後に備えるためには、老後資金をしっかり蓄えておく必要があります。保険をはじめとするさまざまな方法を活用し、必要なお金をしっかり確保できるようにしましょう。そのためには、老後にどのようなリスクがあるか把握することも重要です。
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