毎月なかなか余裕がない、なぜか給料日前にはお金がなくなって貯金ができない方も多いのではと思います。今回は貯金の仕方について考えてみます。
私が家計相談を通して感じた貯金がうまくできる人のポイントは2つあると考えます。
まず、先が見えている人、言い換えると計画性がある人とも言えます。家計がうまく回らず、借金やクレジットカードの買い物が多い人は、どうしても明日の支払いをどうしようとか、今度の引き落としをどうしようとか、目の前のお金のやりくりしか眼中にありません。
一方、先が見えている人は、将来必要なお金の流れをしっかりつかんでいて、それに向けてお金を貯めようとします。必然的に計画的な貯蓄行動につながります。
もうひとつのポイントは、買い物行動の中で我慢ができる力があるかどうかです。
私たちの回りにはさまざまな消費の誘惑があり、季節ごとに女子力アップをささやくようなファッション商品、性能や機能をアップさせて半年から1年サイクルで変わる携帯電話や電化製品などキリがありません。たくさんの誘惑に対して我慢できる力を身につけている人こそがお金を貯められます。
お金を貯めるには先を見据えて、目標金額を決めることが大切です。暗闇の海の中でさまよっていても灯台のライトがあれば、そこに向けて進むという目標がハッキリします。
貯金が無い人はまずは生活費の1カ月分を目標にしていきます。何か想定外のことが起きても1カ月は持ちこたえられるホッと一息の金額です。
次の目標は生活費の3カ月分です。自己都合で退職すると、就職活動をしていても失業手当は3カ月の待期期間があります。生活費3ヶ月分があれば就職活動に安心して専念できます。次は6カ月分という形で目標額を増やしていきます。6カ月から1年分の生活費が貯まったら、次は将来のライフイベントに向けての貯蓄を目標にします。住宅購入を計画されている方は頭金を目標に、お子さんが誕生された方は大学の進学資金を目標に具体的な目標額を決めることが一番大切です。
貯金ができる家計にするためには、家計の状況を確認することが必要です。健康診断や車の点検と同じで、現状を把握して問題点があれば改善していきます。改善に向けては貯められる宝庫の固定的な支出に注目しましょう。毎月必ず一定額を浮かせることができるので、貯金に向けて一番効果が出ます。代表的な項目は、携帯電話やネットなどの通信費、生命保険に代表される保険関連費用などの見直しが挙げられます。
固定費は契約内容の見直しや変更で効果が出ます。一度きちんと決めればしばらくは見直す必要がありません。貯金につながるもうひとつの方法は毎日の意識面の改革です。日常化してしまった買い物行動を変革すること、いわゆる節約行動です。上記3では家計の費目ごとの確認が中心でしたが、ここでは、変動費の代表である食費や日用雑貨品にスポットをあてて買い物行動改革を考えてみます。 まず、1か月分のレシートを集めてみます。買い物する店はだいたい決まっていますから、デパート、スーパー、専門店街、コンビニ、ドラッグストア、などご自身がイメージしやすいグループ分けをしてみてください。どこで多く買い物しているかの傾向が見えてきます。次はレシートの中身を見てよく買うものを確認します。頭の中で感じている傾向と実際の買い物傾向とは異なり意外な発見があります。これは食料・日用品の買い物行動は無意識に習慣的になっている傾向があるからです。 確認ポイントは、以下のとおりです。
1) 不必要な買い物が多くないか
不必要とは、買わなくても生活に支障がないのに買ってしまうものです。お菓子類、飲料、そして特売品です。お菓子や飲料は習慣的に買っている傾向が強く、悪い生活習慣は身体に生活習慣病を引き起こしますが、悪い買い物習慣は家計に悪影響を及ぼします。特売品は確かに安いのですが、本当に今必要なのかを立ち止まって考えてから買う習慣をつけることがポイントです。今必要以外の家計費が抑えられます。
2) 単価が高い商品は低い店に換えられないか
コンビニは利便性がよい分商品単価が高いものがあります。レシートを見てスーパーなどで買った方が安い場合にはそちらで買うように心がけること改善につながります。
3) 在庫があるのに買っていないか
不必要な買い物に関連しますが、冷蔵庫や食品庫の在庫が頭の中に描けますか。冷蔵庫や食品庫にものを詰め込み過ぎたりしていると、何があるのかわからない状態になり、二重買いや食品・野菜類を腐らせたりして家計の無駄が発生します。家計相談をしていて家計が好転してくる人は、みなさん在庫の把握がきちんとできるようになってきます。そうすると冷蔵庫や食品庫にも余裕が出て見た目もスッキリしてきたと話していただけます。
固定費を減らし、節約をしていくと今までの家計からどのくらい余裕がでるのか把握できてきます。余裕が出たお金はまずは安全資産である定期預金の活用を考えていきましょう。ではいつ定期預金にされますか。毎月の家計が心配なので給料日の前で余ったお金を定期預金にしようと考えている方は、なかなか難しいと思います。人間楽な楽しい方に流れますから、お金に余裕があるとつい遣ってしまいます。意思の弱い人は給料日に自動積立定期預金をしてみましょう。先に定期預金してしまうと心配と思いますが、見直しで余裕が出てくる金額がわかったので、その範囲内で積立額を決めれば問題ないですね。どうしても必要になったら最後は解約すれば済む話です。注意しなくてはいけないのが総合口座通帳の定期預金です。この定期預金は当座借り越しシステムにより、定期預金残高の90%まで普通預金から払い出すことができてしまいます。ズルズルと預金を引き出すことにつながり、結局大して貯まらない結果になってしまいます。定期預金は総合口座とは別に通帳を作って自動積立預金をしていくと貯まりやすくなります。
家計の現状把握をして見直しを進め、まずは貯金の基本である定期預金をして目標の金額に到達できるように家計管理改革をしていくことが大切です。
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