将来を見据え、なるべく多くの資産を確保したいと考えている人もいるでしょう。資産を増やす方法を考える場合、貯金や投資を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。この記事では、資産を増やしたいと考えている人に向けて、貯金と投資の違いをくわしく解説します。自分にあう資産形成を行うために、ぜひ役立ててください。
30代になり、貯金や投資に興味をもち始めた人もいるでしょう。この記事では、これから資産運用を始めたいと考えている30代に向けて、30代の貯蓄額の平均や中央値などを解説します。あわせて30代で貯金や投資を始める際のポイントや具体的な方法なども解説するため、ぜひ参考にしてください。
30代は、自分のキャリアやライフプランが明確にみえてくる時期です。また、まとまったお金のかかるライフイベントも増え、資産を確保する方法にも興味が出てきます。本格的に貯金や投資を始めるのに適した時期であり、実際に多くの30代が資産運用について考え始めています。
ここでは、金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年)」をもとにし、30代の貯金や投資の割合について解説します。
なお、ここでいう金融資産とは、将来に備えて蓄えている資産や、運用のための資産のことです。日常的に使用するための現金や、土地・住宅などの実物資産は省いています。
金融資産保有世帯を対象とした調査では、単身世帯の金融資産の平均は484万円、中央値は206万円でした。金融資産を1,000万円以上保有している世帯の割合は、全体の13.3%となっています。また、金融資産が100万円未満の世帯は、全体の28.8%です。
二人以上世帯の場合、金融資産の平均は644万円、中央値は423万円です。金融資産が1,000万円以上の世帯は全体の22.1%、100万円未満の世帯は全体の9.9%でした。
金融資産非保有世帯を含めると、単身世帯の金融資産の平均は327万円、中央値は70万円となります。金融資産の保有額が1,000万円以上の世帯の割合は8.1%、100万円未満の世帯の割合は19.9%、金融資産非保有世帯の割合は31.1%です。
二人以上世帯については、金融資産の平均は591万円、中央値は400万円です。金融資産が1,000万円以上の世帯は20.4%、100万円未満の世帯は9.1%、金融資産非保有世帯は8.2%となっています。
調査結果で示されている平均値とは、データを合計してデータの個数で割った数値です。一方、中央値とは、データを大きさの順に並べたときに真ん中にくる数値を表しています。データを参考にするときは平均値と自分の現状を比較するだけでなく、中央値も参考にするといいでしょう。
データで実際の状況を把握すれば、自分自身の貯金額と比べたり、投資を始めるきっかけになったりします。
ここでは、金融資産を保有している世帯の年間の手取り収入(臨時収入も含む)のうち、どの程度を貯蓄しているか解説します。単身世帯と二人以上世帯のいずれにおいても、手取り収入の10~15%未満を貯蓄に回している人の割合が最も多いです。具体的な割合は、単身世帯が17.2%、二人以上世帯が29.7%でした。
たとえば、年間の手取り収入が400万円(額面上では500万円)の人が15%を貯蓄すると、年間60万円を貯蓄できます。1か月あたりの貯蓄額は5万円です。
実際には、まったく貯蓄をしていない30代の人もいます。すでに解説したとおり、金融資産を保有している単身世帯では平均484万円の金融資産があります。しかし、金融資産を保有していない世帯を含むデータをみると、単身世帯の31.1%、二人以上世帯の8.2%は金融資産を保有していません。
また、単身世帯では、手取り収入の30%以上を貯蓄している人が22.8%います。ただし、手取り収入から一切貯蓄していない人は22.5%います。二人以上世帯の場合、手取り収入から一切貯蓄していない人の割合は9.0%です。
独身の単身世帯では、貯蓄できている人とできていない人の差が特に顕著です。
30代でお金を貯めるべきなのは、万が一の事態が発生したときに使えるお金を確保するためです。たとえば、病気やケガをした場合、まとまった費用が発生する可能性があります。すぐに使えるお金を確保しておけば、そのような事態でも安心できます。
将来的にライフイベントが発生するとまとまった資金が必要になるため、貯蓄して備えておかなければなりません。たとえば、結婚、住宅購入、子どもの進学には高額な費用が必要です。
まとまった資金を貯めるためには、なるべく早いうちからお金を増やす準備しておく必要があります。30代になると、お金を増やす手段のひとつとして、投資を選ぶ人の割合が多くなります。
貯金や投資を始める場合、家計の状況や年収によっても回せる金額は変化します。まずは現状を把握し、どの程度のお金を貯金や投資に使えるか確認しましょう。毎月の出費だけでなく、自分の資産と負債についても正しくチェックすることが大切です。毎月の出費を見直せば貯金や投資に回せるお金が増える場合もあるため、細かい部分まで確認してください。
自分たちの生活を振り返り、生活に必要な金額や将来必ず必要になる金額を把握しましょう。それらに必要な金額以外にどの程度のお金があるか把握することも重要です。そのお金は、貯金や投資に回せます。ただし、貯金がまったくない状態で投資を始めるとリスクもあるため、ある程度の貯金も確保することが大切です。
現在は必要なお金が少なくても、ライフイベントが発生すると必要なお金が増える可能性もあります。ライフプランを考慮したうえで、貯金や投資する金額を決めましょう。目標額だけでなく、貯金や投資の目的、達成する年数なども具体的に定める必要があります。それらが具体的になれば、貯金や投資を成功させるための行動も起こしやすくなるでしょう。
貯金に回す金額を決めたら、生活費とは分けて管理することが大切です。貯金と生活費をわけておけば、うっかり使ってしまう可能性を減らせます。
また、投資は自分にあう方法を選ぶ必要があります。投資を始めるときは、ポートフォリオやアセットアロケーションを作成し、戦略に沿って計画的に資金を投入できるようにすべきです。
ただし、貯金と投資の最適なバランスは、人によってもそれぞれ異なります。自分自身の状況を踏まえ、無理なく貯金と投資ができるようにしましょう。
資金を株や債券などどのくらいの比率で運用するか決めることをアセットアロケーションといいます。一方で、ポートフォリオはアセットアロケーションをもとに、具体的にどの金融商品にどのくらい投資をするのかを考えて振り分けることをいいます。
計画的に貯金するなら、勤め先の財形貯蓄を活用するのもおすすめです。また、定期預金に申し込む方法もあります。いずれも毎月一定額を自動的に貯金へ回せるため、貯金が苦手な人でも無理なくお金を貯められます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は私的年金制度であり、掛け金の金額や投資対象を自分で指定できます。一定金額を積み立てられ、60歳以降に年金として受け取れる仕組みです。掛け金は所得控除の対象になるため、節税にもなります。
つみたてNISAは、少額の積み立て投資で発生した利益が非課税になる制度です。年間40万円までの非課税枠があり、その範囲内であれば利益が出ても税金がかかりません。最長20年間、非課税枠を利用できます。
投資信託とは、投資のプロに株や債券の運用を任せられる金融商品です。さまざまな種類があり、それぞれリスクとリターンが異なります。運用はプロが行うため、売買のタイミングを自分で決める必要はありません。
個人向け国債は、個人が購入できる国の債権です。一定期間ごとに利子が支払われ、満期を迎えると元本が戻ってくる仕組みになっています。金融商品のなかでは特に安全性が高いため、初心者でも始めやすいです。
30代から投資を始めれば、少額からでも将来的にまとまった資産を形成できる可能性があります。30代はまだ若いため、少額を少しずつ積み立てていけば着実に資産を増やせます。負担が少ないため、目標金額を達成しやすいでしょう。老後に必要な資金を蓄えたい場合も、30代のうちから投資を始めれば十分間に合います。
30代から投資を始めると、老後までの長い間投資を続けられます。長期投資を行えば、複利により有利に投資に取り組めるというメリットもあります。複利とは、元金から発生した利息も含めて元金とする方法です。早く投資を始めるほど、複利による恩恵も受けやすくなります。
投資にはリスクもあり、場合によっては損失が発生する可能性もあります。高齢になってから投資に失敗すれば、損失を取り返すのは難しいかもしれません。しかし、30代で投資に失敗しても老後までまだ長い期間があるため、リカバリーが可能です。
なお、投資で成功するには、豊富な知識や経験が必要不可欠です。早く投資を始めれば、その分だけ知識や経験を多く積めます。若い人ほど積極的な投資がしやすいため、30代のうちから投資に取り組むのがおすすめです。
30代で投資を始める場合、あらかじめ明確な目標額を決めておきましょう。投資を成功させるには闇雲に取り組むのではなく、計画的に資金を投入することが重要です。いつまでにいくらお金が必要なのかはっきりさせ、必要なお金を確保できるよう投資に取り組む必要があります。
投資を始めるときは、どの程度を投資に回すのかを決めておきましょう。まとまったお金を一気に投資するのではなく、無理のない範囲で計画的に投資してください。少額で投資の経験を積むことも大切です。生活に影響が出ないようにするには、万が一のときにすぐ引き出せるお金も用意しなければなりません。
集中投資はリスクが高いため、分散投資を心がけましょう。投資する金融商品の規約や手数料についてもよく確認すべきです。
投資するうえでは、投資のリスクについて正しく理解しておかなければなりません。最初のうちは投資の知識や経験も少ないため、リスクはできる限り抑えて投資することをおすすめします。
投資していると含み損が出る場合もありますが、一時的である可能性もあります。自分の投資の方針に沿って焦らず対応することも重要です。
30代は、将来に向けて貯金や投資を始めるのにぴったりなタイミングです。30代からしっかり資産形成に取り組めば、まとまったお金が必要なときにきちんとお金を確保できます。
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