一人暮らしでは、生活にかかる費用をすべて自分で管理しなければなりません。そのため、生活費について心配している人は少なくないでしょう。この記事では、お金に不安を感じている一人暮らしの人に向けて、生活費の節約方法や節約のポイントなどを解説します。無理のない一人暮らしを実現するために、ぜひ役立ててください。
一人暮らしにかかる生活費は、一か月あたり約15万円かかると言われています。総務省統計局が発表した家計調査の結果によれば、令和2(2020)年の単身世帯の一か月あたりの平均支出の内訳は以下のとおりとなっています。
項目 |
食料 |
住居 |
水道 光熱 |
家具 家事用品 |
被服 履物 |
保健 医療 |
交通 通信 |
教育 |
教養娯楽 |
その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均支出額 |
38,257円 |
20,948円 |
11,686円 |
5,293円 |
4,692円 |
7,029円 |
18,217円 |
0円 |
15,452円 |
28,932円 |
住居にかかる費用が比較的低くなっているのは、持ち家や寮の人も含まれているためです。都市部で賃貸物件を借りて一人暮らしをする場合、住居にかかる費用はさらに数万円高くなります。
※出典:家計調査年報(家計収支編)令和2(2020)年|総務省統計局
一人暮らしで節約するには、さまざまなポイントがあります。ここでは、3つのポイントを解説します。
一人暮らしでは、家賃をなるべく抑えましょう。家賃の目安は、手取り収入の2~3割程度です。この目安には、共益費や管理費も含まれています。契約時に更新料がかかる場合は、月割りにして毎月の家賃に加算して考えてください。現在借りている物件の家賃が目安よりも高い場合は、引っ越しを検討しましょう。
節約するためには、収支の状況を正しく把握することが大切です。家計簿をつけ、自分の収入をいつどれくらい使っているのか把握しましょう。アプリを使用すると、簡単に家計簿をつけられます。なかには、レシートを撮影するだけで自動的に家計を管理できるアプリもあります。自分が無理なく継続できる方法で家計簿をつけるのがおすすめです。
保険に加入している場合、家計に対して保険料の負担が大きくなっている人もいます。保険を見直し、余計なオプションをつけていないか改めて確認しましょう。また、万が一のときに受けられる保障の金額が適切かどうかもチェックする必要があります。なお、一人暮らしなら、本来は共済への加入で十分な人も少なくありません。
一人暮らしで電気・ガス代を節約するには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、4つのコツを解説します。
電力会社・ガス会社は複数あるため、それぞれを比較することが大切です。自分の生活スタイルを考慮し、最適な事業者や契約プランを選ぶ必要があります。契約プランによっては、電気とガスをまとめて契約すると割引が適用になるケースもあります。
一人暮らしを始めるときや新しく家電を購入するときは、節電になる「エコ家電」を選びましょう。エコ家電は価格が高い場合もありますが、長い目で見れば電気代の大幅な節約につながる可能性があります。日々の負担を減らしたいなら、エコ家電がおすすめです。また、照明はLEDライトを選ぶと節約になります。
ガス代を節約するには、お風呂やシャワーの設定温度を高くしすぎないことも大切です。無理のない範囲で設定温度を下げれば、その分だけ節約になります。たとえば、設定温度を1度下げるだけでも、1年間使用し続ければ大きな差が出るでしょう。
冷蔵庫は、家電のなかでも特に多くの電気を消費します。冷蔵庫にかかる電気代を節約するには、消費電力をなるべく上げないようにすることが大切です。具体的には、温かい食品は冷ましてから冷蔵庫に入れ、頻繁に開閉しないようにしましょう。
一人暮らしで水道代を節約するコツは水道代に対する意識を変えることです。ここでは、3つのコツを解説します。
水道代を節約するには、水をこまめに止めることが大切です。一人暮らしでは食器洗い、手洗い、洗顔、シャワーなどさまざまな場面で水を使用しますが、そのたびに出しっぱなしにしている人は少なくありません。水をこまめに止めながら使用すればその分だけ節水になり、水道代も安く抑えやすくなります。
シャワーヘッドのなかには、節水できるタイプもあります。シャワーの勢いを保ちつつ水量を抑える工夫が施されています。シャワーヘッドを変えるだけでも、節約につながる可能性が高いです。
節水のためには、お風呂の湯量も少なめにしましょう。お湯を溜めるのは浴槽の半分程度までにし、半身浴するのがおすすめです。半身浴でもゆっくり浸かれば、しっかり体を温められます。
一人暮らしで食費を節約するには、さまざまな工夫が必要です。ここでは、食費を節約するコツを3つ解説します。
食費を節約するには、積極的に自炊することが大切です。安い食材をチェックして購入し、それらで作れるレシピを検索してみましょう。余った食材を放置して傷むと無駄になるため、一度にまとめて作り置きするのがおすすめです。
自炊が負担に感じる場合は、ご飯は自分で炊き、惣菜を購入する方法もあります。
食費の節約においては、いつも同じスーパーで買い物するのもポイントです。同じスーパーに通っていると、広告の品やタイムセールなどの情報も把握しやすくなります。ただし、頻繁に買い物に行くと余計なものまで買ってしまうおそれがあるため、買い物するのは週1~2回程度に抑えましょう。特売日を狙うとより安く食材を購入できます。
コンビニの商品の価格は、基本的にスーパーよりも割高に設定されています。コンビニ立ち寄るだけでつい余計なものも買ってしまう人も多いです。なるべくコンビニに行かないようにするだけでも、大幅な節約になる可能性があります。
一人暮らしで通信費を節約するには、どうすればいいのでしょうか。具体的なコツを2つ解説します。
スマホは、格安SIMや格安プランを選ぶと毎月の費用がかなり安くなります。2021年には大手キャリアから格安プランが発表され、格安SIMに抵抗があった人も費用の見直しがしやすくなりました。たとえば、乗り換えにより月4,000円を節約できた場合、年間で48,000円も節約になります。
家でもスマホのデザリングやポケットWi-Fiを使用していると、速度制限がかかりやすくなります。そのため、家では光回線を使用するのがおすすめです。スマホとセットで契約するとお得になる光回線もあります。スマホと光回線を両方契約したほうが、結果的に節約になる可能性もあります。
一人暮らしで日用品費を節約するには、工夫が必要です。ここでは、具体的なコツを2つ解説します。
市販の洗剤にはさまざまな種類がありますが、節約するには用途別に購入しないようにしましょう。重曹、クエン酸、粉石けんなどをそろえれば、さまざまな用途のために使い回せます。たとえば、焦げつきや茶渋などは重曹で十分きれいにすることが可能です。洗剤の特徴を理解し、余計なお金をかけずに掃除しましょう。
消耗品はなるべくセールでまとめ買いしましょう。たとえば、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどは、セールを利用するとかなり安く購入できます。また、インターネットの通販を活用すると、より安い商品をみつけやすくなります。
節約の効果をさらに高めるには、ほかにもチェックしたい項目があります。以下で具体的なチェック項目を解説します。
サブスクリプションサービスを契約している場合は、不要なものがないか確認しましょう。複数のサービスを毎月利用していれば、年間で考えるとまとまった費用になります。たとえば、月1,000円のサービスを2つ解約すると、年間で24,000円もの節約が可能です。
欲しい物があるときは、フリマアプリで安く購入できないかチェックしましょう。特に、服や本などはフリマアプリで安く手に入るケースが多いです。フリマアプリで新品が出品されている場合もあります。中古ならさらに安く買えるため、お得です。
ジムや習い事の契約をしている人は、本当に必要なのか改めて考えましょう。特に、入会当時と比較して通う頻度が減って支払っている会費が無駄になっているなら、退会を検討すべきです。
節約により貯金を増やしたいと考えている人もいるでしょう。ここでは、そのために何が必要か解説します。
貯金するうえでは、目標金額を決めることが大切です。旅行や高額な買い物など具体的な目標があれば、節約や貯金に対するモチベーションを保ちやすくなります。また、目標金額を達成するまでの期間を設定し、どの程度の節約が必要か具体的にイメージしましょう。
着実に貯金するには、先取り貯金をしましょう。目標金額や期間をもとにし、一か月あたりの貯金額を設定します。そして、給料が入ったら使う前に貯金します。貯金用の口座を用意して振り分けるようにすれば、うっかり使ってしまう心配がありません。お金があるとつい使ってしまう人は、先取り貯金を習慣にしましょう。
無理なくお金を貯めるには、お金の知識を増やすことも大切です。たとえば、セミナーを受講すれば、正しいお金の知識を学べます。また、ファイナンシャルプランナーをはじめとするプロに家計の相談をすると、自分にとって最適な節約や貯金の方法がわかります。知識を増やし、よりスムーズに貯金しましょう。
一人暮らしの生活費を節約するには、さまざまなコツがあります。細かいポイントを日頃から意識すれば、目標金額の貯金は十分可能です。
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